日常的ユーザエクスペリエンス研究

その辺にあるものからユーザエクスペリエンスを学ぶ

危機感で変化をあおる

変化を厭うのは人間の性ですが、流れのない水は腐ってしまうように、常に変化し続けなければ企業はダメになってしまいます。

これは競争環境にある以上、当たり前のことですが、しかし、人間のんびりとしたいものです。

私も若いころはがむしゃらに働きながらも、

「もうすぐ楽になるよ」

と言われ、その言葉を真に受けてもうひと踏ん張りだ!と思っていたこともありました。

 

しかし、楽になるわけはないのです。

いや、楽になるときは企業がダメになるときでしょうね。(楽とは言わない?)

 

企業規模が大きくなればなるほど、自分の仕事と会社全体の業績の関係性が希薄化しますから、自分が少し頑張ったところで変わりはしないし、楽にやろうよという気持ちになりがちです。

また、過去の経験をもとに判断をしがちですから、年功序列で役職者が経験を長く積んだ人が多かったりすると、経験だけが強みになってしまいますので、役職者こそが変化を意識しないと、組織自体が劣化してしまうことにもなりかねません。

 

しかし、変化にはリスクが伴います。

従来の業務の延長線上で経験をもとに危ない橋を渡らなければ、減点方式の評価環境においては、新しい価値を生み出す可能性はゼロですが、従来の延長線上で成果はなんとなく出てくるわけです。(何かをやり遂げたという意味で)

従来の延長線上で業務を回しておけば利益を生むのは、その事業が拡大期にある時だけです。

企業が拡大期から停滞期に移ったときに、変化を求めず、従来の延長線上でやり続ければ、いずれ劣化することは自明ですが、拡大期しか知らない人間が組織の長にいたりすると、その人が変わらない限りはその組織の未来はありません。

 

ですから、変化をしてもらうために危機感をあおる。

 

果たして、危機感は伝わるのでしょうか?

 

「このまま変化しなかったらまずいですよ。」

 

この言葉はうつろに響く気がしてなりません。

変化を起こす気にさせようにも、足元が盤石ではそんな気にはならないはずです。

 

結局は

「安定なんてありえない。常に変化し続けよう。」

と思うことが大事なのだと思います。

 

変化は人から危機感をあおられても起こらない。

自分で危機感を感じるまでは。